nach meiner Meinung

「わたしの意見では」。主にジェンダー領域に関わるような話を、学問レベルには足りないくらいのところで書いていきます。

シリーズ拡大解釈1・ドラクエの花嫁論争で死にたくなった。

お久しぶりです。

ちょっと、自分にとってのここのルールみたいなものをカチカチに決めすぎて、面倒になって放置してしまいました。
悪いところです。
なので、最初の宣言は守りつつ、もう少しゆるくいきたいと思います。
とりあえず思ったことをダラダラ書いていこうと思います。

シリーズ拡大解釈とは

なので、タイトルにつけた「シリーズ拡大解釈」も、思いつきです。
続くかもしれないし、続かないかもしれない。
どういう意味かというと、何かの事象に対して、本来的には含まれていないであろう意味や意図をわたしが勝手に見出し、勝手に理論立てて、大概の場合勝手に辛くなるという一連の脳内ルーチンを公開するという意味です。
今日は死にたくなるくらい辛くなる拡大解釈を生み出してしまった。それがこちら。

ドラクエ花嫁論争

わたしはドラクエやったことないです。
一回も。まったく触れたことないです。
そんなわたしが、友達からこの部分だけ聞きました。
ドラクエ5には、主人公が2人の女の子のうちひとりを結婚相手に選ぶという部分がある。
 ひとりは幼馴染、ひとりは金持ちの娘だ。
 主人公は金持ちの父親から防具を譲り受けるが、
 “条件として、娘と結婚してくれ”と言われる。
 女の子は2人とも主人公に好意を抱いている」

う…

うわあああああああ


鬱だああああああああああああ


ここでわたしの鬱スイッチがオン。
わたしはこの瞬間に金持ちの娘(フローラというらしい)にがっつり感情移入してしまったのでした。

ここから、なにゆえにわたしが死にたくなるほど憂鬱になったか説明していくんですが、
未プレイゆえにディテールも、キャラの性格も知りません。
上に書いた、友達からの情報だけで妄想したものですので、
そういうつもりで読んでいただければ幸いです。


何故フローラのことを考えて鬱になったか

  • 交換条件にされてるのが辛すぎる
まずこれ。
父親は、「娘を嫁にやる」ことを、「防具を譲る」ことの交換条件にしてるんですよね。
取引の基本はギブアンドテイクです。
防具を譲る、これはギブですよね。
ということは、娘を嫁にやる、これはテイクになるわけです。
…ん?
嫁の貰い手もないお荷物の娘を処理してくれなきゃ防具はやらん!てこと?
と思い友達に聞いたところ、そうではないと。
父親も主人公を大層気に入っており、「お前になら娘をくれてやってもいい」というニュアンスだと。

ふむ。

いや、でもさ。


  • 主人公にとって交換条件として提示されて成立するのがイヤ
今度は主人公サイドから見て、
防具を貰う、これはテイクなわけです。
じゃあ、フローラとの結婚はギブなわけ?

わたしの好きな映画に、
To be free, one must give up a little part of onself
(ひとは、自由になるためには自分の何か一部を手放さなければならない)
とゆー台詞があります。
何かを得るためには何かをあきらめる、何かを我慢する必要がある。
ギブアンドテイクのギブは、ギブアップのギブなわけです。

それが、ここでは、フローラとの結婚なわけです。
つまり、フローラと結婚したくないと。

だって、フローラと結婚したかったら、この交換条件は成立しません。
主人公は何も失わず、むしろウハウハです。

これが悩まなければいけない選択として成立するのは、
フローラとの結婚が主人公にとってマイナスであるからに他ならないわけです。

自分が好きな相手にそんな風に思われて、あんまり惨めです。
片思いしてるだけなら良かったのに、結婚なんて土俵にいきなり乗せられて、しかもその乗せ方が、相手にとってのデメリットとしての提示です。
すでに死にたい。


  • しかも自分と引き換えなのはたかが防具
モノと同等、というか、そのモノを得るために支払う代償と定義づけられるわけですよ。フローラは。
あんまりじゃないですか。
父親の提示の仕方は、要は脅迫ですよ。
「この防具が欲しいんだろ?ん?
 まあ、くれてやってもいいが…
 その代わり、うちの娘の結婚しろ、それが条件だ。
 ほら、どうした?欲しいんだろ?
 防具に、大事な娘までつけてやるってこっちは言ってんだ。
 それともてめぇ、うちの娘になんか文句でもあるのか?ああ?」
とまあ、これでは、粗悪品を売りつけるヤクザです。
明らかに、父親が「主人公は娘との結婚を望まない」という認識を持っていなければ、成立しない取引なわけですよ。


  • もし主人公がフローラを選んでも地獄
こういう選択肢が登場した以上、やっぱり主人公は幼馴染が好きなんでしょうね。
じゃなきゃここで悩まない。
主人公の意思決定はプレイヤーに委ねられるとはいえ、ストーリー展開的に既に決められたスペックなんだと思います。
好きな女を取るか、金銭的、物質的な利益をとるか。
フローラは後者にくっついてきてしまう厄介なおまけにすぎない。
それなのに、フローラは主人公が好き。
つらすぎるだろう…。

それに、万が一主人公が自分の気持ちでフローラを選んだとしても、フローラは最早そう思えない状況に追い込まれています。
父親によって、「防具を得るために避けて通れないデメリット」として定義づけられてしまっているから。
きっとフローラはこう思うでしょう。

彼にはこの防具が必要で、そのために好きな幼馴染を諦めて、私を選び、そして私を苦しめまいと嘘までついている。
私は彼を苦しめたくないのに、彼が欲しいものがどうして同時に手に入らないのか。
私はなんと邪魔な、余計な、この世界に不要な存在なのだ。
私がそもそも存在していなければ彼は幸福になれたのではないか…。


  • そもそも父親がわるい
ちゅーか、そもそもなんでこのクソ親父は、自分の娘をここまで苦しめるような、馬鹿なことを言ったんでしょうか。
そんな交換条件を出さなかったら、主人公が本当にフローラを好きになり、フローラに結婚を申し込んだとしても、フローラは自分を責めずに済んだのに。
何かの見返りに娘と結婚しろ、なんて、親の言うことじゃないですよ。
「見返りがないと結婚したくないような女」に、自分の娘を貶めるなよ。
見返りなんかなくても、娘さんと結婚させてくださいという男に、娘をやれよ。
なんなんだよ。このクソ親父。
娘はてめえの持ち物じゃねえよ。
娘を尊重しろよ。

フローラは、本当だったら父親に向かって怒るべきですね、そんな交換条件を出した時に。
それは主人公にも、私にも失礼だと。
私は、主人公が私を好いてくれていないんであれば、結婚したくない。主人公が幸せになって欲しいから、わたしがそれを妨げるものになりたくいと。


  • というわけでナツメの選択は幼馴染一択
こうまでフローラに感情移入したので、もちろんフローラには幸せになって欲しいのですが、
どちらの選択肢を選んでもフローラが不幸になるのは目に見えてるので、
もしわたしがプレイしたら幼馴染の方を選びます。
フローラを選んでも誰も幸せにならない(クソ親父だけが幸せ)だけど、幼馴染を選べば、主人公と幼馴染は幸せになれますからね。
まあ、フローラ自身も、好きな相手に、愛されてないのに結婚“してもらって”、色んなものを諦めさせて一緒にいるんだという自責の念を一生感じるよりは、好きな相手と幸せに暮らしている主人公を遠くで見守っている方が幸せでしょう。


  • ちなみに、もし自分が「選ばれてしまったフローラ」だったら
ここが最大の死にたいポイントなんですが、もし自分がフローラで、主人公に選ばれてしまったらということを考えてしまったのです。
さっきも書いたように、「主人公は防具のために好きな相手を諦めて、好きでもない自分と我慢して結婚したんだ」という前提がありますよね。
なおかつフローラは主人公のことが好きなので、幸せになって欲しいのです。
主人公が幸せになるには、好きな相手と防具を同時に手に入れるには、どうすればいいのか。
そのためには、自分が邪魔だ。
だったら、一度防具を手にし、父親に奪い返されない確信を持てた段階で、私が死ねばいい。
でも、明らさまな自殺では主人公が自分を責めてしまうかもしれない。
事故、あるいは失踪を装って、私がこの世から姿を消せば、すべて丸く収まるんだ。
それだけが唯一の解決法、彼が何も失わず、幸せになれる方法なんだ…




ああ…死にたい……




ちなみに実際はそんな話じゃないらしい

今日の昼休みはこれで憂鬱になって死にかけてたら終わりました。
あとで調べてみたら、フローラは実際はもっと強かな性格のようで、思いつめもしないようで、良かった。

でも、この論争についての記事とかまとめとか見ると、やっぱりプレイヤーの一般的な意見としては
「気持ちを優先して幼馴染を選ぶか、利益のためにフローラを選ぶか」
という論調で、フローラの気持ちはほとんど無視ですね…。
完全なかませ犬じゃないですか。
わたしはかませ犬キャラを見ると、「この人にも人生があるのに、別の人を引き立たせるためだけに存在しているみたいな扱い、ひどすぎる、自分の人生がそんなだったら嫌だ…」とすごく鬱になってしまうので、また憂鬱を深くしたのでした。

なんというか、フローラがどうこうというか、
  1. わたしがいかに愛されないことに怯えているか
  2. にもかかわらず、「愛されない」ものに積極的に同化していってしまう姿勢
  3. 超自罰的な思考
が明らかになっただけという気もしますが。
でも親父は本当にひどいと思うぞ!


ちなみに友達は、
「ナツメはドラクエに感情移入すると思う」と言ってこの話を始めたので、
その読みは当たりすぎるほど当たっていたのでした。